2020/7/22
連日の雨の中、久しぶりの晴れ予報。ただし気象レーダーでは未明まで雨雲あり、明け方からの晴れを確認。以前から一度行ってみたかった加賀禅定道踏破の計画が頭の中のふと浮かび上がる。
早速勢いで装備を整えて夕方から横になり22時過ぎに自宅出発。まだ霧がかったハライ谷登山口へ到着し不安に駆られながらも、自転車をデポしたのち別当出合へ移動。別当出合には予想外に車が8割ほども駐車しており、みなさん車内で寝ている模様。自分は到着後すぐに静かに車を降りて出発。時刻は1時30分。御来光に間に合うよう山頂を目指す。
最初から小雨でガスもありヘッドライトを消すと真の闇。ライト点灯したまま止まると蛾が寄ってくるためあまり休憩できず一気に室堂まで。室堂内で食事(前日買ったコストコのプルコギベイク残り半分とファミチキ少々)をとり、少し休んでから御来光直前に到着するよう出発。
室堂時点でだいぶガスっていたのであまり山頂からの眺望には期待せず。しかし、御前峰に近ずくにつれ徐々にガスが少なくなり、登頂してみると、ほぼクリアでまさかの絶景が眼下一面に広がっていた。御前峰には誰一人おらず、思う存分に写真を撮影。見たこともない大雲海と、その中に島のように浮かび上がる別山や室堂平、人の笑顔にも見えた朝日に照らされた残雪のある大汝峰がとても印象的だった。
しばらく贅沢な時間を満喫してから、この先の未踏の地へ向かう。急なガレ場を慎重に下り、まずはお池巡りへ。みくりが池は鱗模様の残雪と、池に差し込む御来光の素晴らしい造形美に圧倒される。他の池もそれぞれ個性があり、撮影に時間を奪われながらコースの大部分を巡り大汝峰を回り込み加賀禅定道へ入る。お池巡り後半に大汝峰から一人、降ってくる人を発見していたが、大汝峰裏手で丁度遭遇。福井から来られた方で、前日に南竜でテン泊して大汝に御来光を観にきたとのこと。お互い違う峰から眺めた同じ絶景を喜び合った。
加賀禅定道へ入り、ここからの景色も雲海が眼下に広がり空は快晴、青々とした草原が広がり稜線の先には雲海が広がり最高のコントラスト。登山道もしっかり整備されていて遠くの両線にまで伸びる道が気分を高揚させる。しかし下り基調ではあるが細かいアップダウンが続きじわじわと脚に疲労が蓄積する。室堂まで登りはハイペースで進んできたためここから先は、登りは歩幅を狭くなるべくゆっくりで、安全な下りと平地はなるべく速足に切り替えて、まだまだ長い道のりを考慮し、省エネを心掛け進む。
感覚的には予想以上に長い時間歩き、本日の最大の目標としていた百四丈滝へ。壮観な落差90mもある滝をクリアに観ることができ大満足。その後、奥長倉避難小屋で2度目の食事休憩と約20分の仮眠。これだけでかなり脚は回復し、あとは、しかり場分岐からハライ谷登山口まで長い下りを転倒に気を付け、軽快に下っていく。
檜新宮道で本日2人目の登山者と遭遇。加賀禅定道を登り、道中露営して岩間道で下る予定とのこと。すごい。その後、11時15分、ハライ谷登山口へようやく到着。長い道のりだった。長い下りで靴のつま先ソールが若干剥がれる。
少し休憩し、デポしてあったマウンテンバイクでスタート地点の別当出合へ戻る。途中トンネル内は安全のため歩道上をゆっくり走行。白峰手前の自販機でオレンジジュースをがぶ飲みし、熱中症に気を付けるが、白峰から先は微妙な登りが長距離続き疲労が蓄積。最後の市ノ瀬~別当出合間の急登はほぼ歩行速度。今思えば瀬女に荷物をデポしておけばよかった。ザックの重みで尻と肩の疲労が大きかった。
ゴール後少し仮眠をとり、キジトラコーヒーのカプチーノソフト食べて帰る。帰宅は17時。山行9時間、自転車5時間、合計14時間の長丁場だった。ゴール直後はもうしばらくは山に来たくないと思えたが、不思議なことに帰宅時には次はどこへ行こうか考えていた。まだ見ぬ景色、やはりこらからも見に行きたい。
顔に見えた大汝峰
みくりが池の抜群のコントラスト
心躍る道
遥かかなた
ようやく自転車デポ地点へ
別当出合まで約40キロ